感情的なメッセージ一度と遅れた精算は犯罪ではないとの判断が控訴審でも維持されました
事件の概要
依頼人は多額の金銭を貸した債権者でした。債務者側と合意して債務者の会社の掘削機を引き取って売却し、その代金を定めた割合で分けることにしました。ところが精算が遅れる中で債務者に激しい内容のメッセージを一度送ったことで脅迫、売却代金の一部を返さなかったとして横領の容疑で起訴されました。
争点
メッセージが相手に恐怖心を生じさせる害悪の告知にあたるか、精算の遅れが横領の故意によるものかが争点でした。
弁護士の対応
判決文には弁護人の主張の要旨は個別に整理されていません。裁判所は、メッセージを送った経緯と精算の過程を具体的に検討しました。
裁判所の判断
裁判所は、メッセージを送った頃に債務者が破産を申し立てて債権回収が難しくなる状況にあったこと、依頼人が債権回収のために多くの作業を引き受けてストレスを抱えていたこと、直後に「自分に悪いところがあれば言ってほしい」というメッセージを送っていることなどから、一時的な怒りの表れにすぎないとしました。横領については、依頼人には合意に基づく精算義務があるだけで実際に精算を終えており、精算期限の約定もなく、支払いを留保する現実的な理由もあったとして、故意は断定できないと判断しました。控訴審も同じ判断を維持しました。
結果
一審は両容疑とも無罪を言い渡し、控訴審は検察の控訴を棄却しました。
この事例の意味
メッセージの表現が荒くても、経緯や前後の事情によっては脅迫罪が成立しないことがあります。精算が遅れたという事実だけで横領になるわけではありません。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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