隣接会社の「付合」「時効取得」「権利濫用」の主張をすべて退けました
事件の概要
依頼人は土地を新たに取得しましたが、その上には隣接する会社が以前に工場と倉庫を増築する際に設置した擁壁(補強土)と施設物がありました。依頼人は会社に対し、施設物の撤去と土地の明渡しを請求しました。
争点
施設物が土地に付合して依頼人の所有になったか、会社が20年以上占有して土地を時効取得したか、そして撤去請求が権利濫用にあたるかが争点でした。
弁護士の対応
依頼人側は、測量鑑定の結果などにより会社の施設物がある部分を特定し、所有権に基づいて撤去と明渡しを請求しました。
裁判所の判断
裁判所は、施設物が土地に付合したという証拠は足りないとしました。時効取得については、占有期間が経過して時効が完成していても、占有者が登記をしない間に他の人が先に所有権登記を済ませれば、その人に対しては時効取得を主張できないとしました。依頼人は会社が主張する時効完成日より後に所有権を取得していたため、会社の主張は認められませんでした。権利濫用の主張も、依頼人がもっぱら相手を苦しめる目的だったという証拠はないとして退けました。
結果
裁判所は会社に擁壁と施設物を撤去して当該土地を明け渡すよう命じました。訴訟費用は会社の負担とし、判決確定前でも執行できるとしました。
この事例の意味
取得時効が完成していても、占有者が登記をしない間に新たに所有権を取得した人に対しては、時効を主張できません。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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