裁判所は手術中の感染が傷害保険の「偶然な外来の事故」にあたると判断しました
事件の概要
依頼人は痛みの治療のため関節の手術を受けた後に感染が生じて悪化し、結局大きな再手術を受けて関節機能に障害が残りました。依頼人が傷害保険金を請求すると、保険会社は支払義務の不存在確認を求めて提訴しました。
争点
手術後の感染とそれによる障害が、傷害保険が補償する「急激かつ偶然な外来の事故」にあたるか、それとも手術に伴う予見された合併症かが争点でした。
弁護士の対応
保険会社は、手術前に感染の可能性について説明を受けた合併症にすぎないと主張しました。依頼人側はこれを争い、裁判所が根拠とした資料には、手術を行った病院自身が感染は手術中に生じたと推定するという所見などが含まれていました。
裁判所の判断
一審は、感染は手術という外部要因によって生じ、依頼人の体質的要因を疑う事情はなく、同意書の一般的な文言だけで大きな再手術や障害まで予見できたとはいえないと判断しました。控訴審は、診療記録の鑑定医が異なる所見を示したものの、同じ日に手術を受けた別の患者も感染していた事実など重要な資料を受け取っていない状態での鑑定であるため、そのまま信用できないとして一審の判断を維持しました。
結果
一審は保険会社の請求を棄却し、控訴審は保険会社の控訴を棄却しました。訴訟費用は保険会社の負担とされました。
この事例の意味
手術に関連する事故も、事情によっては傷害保険の保険事故と認められ得ます。鑑定結果が不利でも、その前提となった資料を検討すれば結論が変わることがあります。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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