検査なしの鑑定は信用できないという保険会社の主張にもかかわらず、裁判所は鑑定結果を尊重し障害を認めました
事件の概要
依頼人は自分の車を運転中、高速道路でガードレールと中央分離帯に相次いで衝突する事故に遭いました。この事故で膝をはじめ複数の部位に重傷を負い、数か月間入院治療を受けました。依頼人は自分の車両について自動車保険契約を結んでいた保険会社に保険金を請求しましたが、保険会社は後遺障害の評価を問題にして支払範囲を争いました。
争点
後遺障害とは治療後も残る障害で、労働能力を何パーセント失ったか(労働能力喪失率)によって保険金が大きく変わります。保険会社は、膝の靭帯断裂は治療後に関節がどの程度ぐらつくかを測る検査(動揺測定)を経て初めて障害と認められるもので、その検査なしの鑑定結果は信用できないと主張しました。この検査なしでも障害を認められるか、項目ごとの損害額が適正かが争点でした。
弁護士の対応
依頼人側は、裁判所の身体鑑定の結果を根拠に後遺障害を主張しました。鑑定医は、靭帯断裂があること自体が障害評価基準に該当するため動揺測定は不要との意見を示しました。依頼人側はこれをもとに、障害によって失う将来の収入(逸失利益)、入院期間の休業損害、慰謝料などを項目ごとに算定して請求しました。
裁判所の判断
裁判所は、鑑定結果はその方法が経験則に反したり合理性を欠いたりするなど明らかな誤りがない限り尊重すべきだという大法院判例を適用しました。依頼人が靭帯再建手術を受けていない状態であることも考慮すると、鑑定医が適用した評価方法に明らかな誤りがあるとはいえないとして、保険会社の主張を退けました。その結果、膝の永久障害とともに、他の部位の永久障害と限時障害(一定期間だけ残る障害)も認めました。これに基づいて裁判所が算定した損害額は、依頼人の請求額を上回りました。
結果
裁判所は、依頼人が請求した約2億4千万ウォン全額と事故日からの遅延損害金の支払いを保険会社に命じました。訴訟費用もすべて保険会社の負担とし、判決確定前でも執行できるよう仮執行宣言を付けました。
この事例の意味
保険会社が後遺障害の評価方法を争っても、裁判所の鑑定結果に明らかな誤りがなければ、その結果が尊重され得ます。障害の認定は鑑定医の意見や治療経過といった医学的根拠にかかっているため、鑑定の段階から十分に準備することが重要です。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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