従業員の故意の逸脱まで会社が事前に防ぐことは期待しがたいとの判断が維持されました
事件の概要
依頼人は食肉を販売する会社です。従業員が食肉の消費期限を勝手に変えて表示し販売目的で陳列したとして、従業員の違反行為について会社にも責任を負わせる両罰規定により、畜産物衛生管理法違反で起訴されました。一審は無罪を言い渡し、検察が控訴しました。
争点
会社が従業員に対する注意・監督義務を怠ったかが争点でした。
弁護士の対応
依頼人の会社は一審で無罪となり、控訴審では「会社が従業員への教育や指示を怠った」という検察の事実誤認の主張に対抗しました。
裁判所の判断
控訴審は、一審の事実認定と判断は正当であるとしました。従業員の入社前から期限切れの食肉が廃棄されずに保管されていたという事情だけでは、販売目的があったとは断定しがたいとしました。また取締りと摘発の経緯に照らし、従業員が故意に廃棄用商品の期限表示を変えた行為まで会社が予測して監督することを期待するのも難しいと判断しました。
結果
控訴審は検察の控訴を棄却し、依頼人の会社の無罪が維持されました。
この事例の意味
従業員の違反行為で会社も起訴される両罰規定の事件でも、会社がその違反を予見し防げたかどうかによって結論が変わります。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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