「事実婚はなかった」という相手方の主張にもかかわらず、婚姻届の3年余り前からの夫婦生活が認められました
事件の概要
依頼人は相手方と同居を始めて夫婦として生活し、婚姻届を出したのはその3年余り後でした。その間、二人は相談して相手方名義で土地を買って家を建て、完成後はその家で一緒に暮らしました。その後、相手方の健康問題と看病、保険金の分配、相手方が依頼人に相談せず家を処分しようとしたことなどで対立が深まり、依頼人が家を出たことで別居が始まりました。依頼人は離婚・慰謝料・財産分与を請求し、相手方も反訴で離婚と慰謝料を請求しました。
争点
相手方は、婚姻届以前に事実婚関係はまったくなかったとして、自分名義の家と土地は婚姻前に得た固有財産であり分与の対象ではないと反論しました。また、自分のカードローン・自動車ローン・金融機関からの借入れを夫婦で分けるべき債務に含めるべきだと主張しました。婚姻期間をいつからとみるか、どの財産と債務を分けるか、破綻の責任が誰にあるかが争点でした。
弁護士の対応
依頼人側は、婚姻届のはるか以前から夫婦として共に暮らしてきたのだから、その期間に用意した家と土地も夫婦で築いた財産だと主張しました。また、相手方が依頼人を家から追い出し、共有財産を一方的に処分しようとしたとして慰謝料を請求しました。
裁判所の判断
裁判所は、二人が婚姻届の数年前から同居していたこと、相手方の実家で一緒に正月や秋夕を過ごしたこと、相談して家を建て依頼人が工事現場を見回っていたこと、敷地の一部を共有名義で登記したことなどを根拠に事実婚を認めました。相手方が電話で婚姻期間が約5年であることを否定しなかった点も考慮しました。そのうえで、相手方の両親との交流が始まった頃からを婚姻期間とし、相手方名義の不動産を分与の対象に含めました。借入れは、発生時期が不明確なもの、分与から除いた車両に付随するもの、破綻後に相談なく借りたものであるとして、すべて除外しました。慰謝料については、対立はどちらか一方だけの責任ではなく、双方の責任は同等だと判断しました。
結果
裁判所は離婚を認め、依頼人の取り分を夫婦の純資産の25%と定めて、相手方に財産分与金5,600万ウォンと遅延損害金の支払いを命じました。主な財産が相手方の元々の土地の売却代金と借入れで賄われたこと、依頼人が家事を担いながら経済活動で収入を補ったことなどが割合に反映されました。双方の慰謝料請求はいずれも棄却され、財産分与は依頼人の請求額のうち一部が認められました。
この事例の意味
婚姻届前の同居期間であっても、夫婦としての生活の実態が証明されれば、その期間に用意した財産が分与の対象になり得ます。一緒に過ごした名節、共有名義の登記、会話の記録など、生活の実態を示す資料が判断の根拠となりました。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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