長年の別居ですでに他人同然だったという相手方の主張にもかかわらず、裁判所は夫婦共同生活の侵害を認めました
事件の概要
依頼人には、20年以上にわたり法律上の婚姻を続けてきた配偶者がいました。ところが相手方が、依頼人の配偶者に配偶者がいることを知りながら、約1年半にわたり不貞関係を続けていたことが分かりました。依頼人は、これによる精神的苦痛について相手方に慰謝料を請求しました。
争点
配偶者の不貞相手は夫婦共同生活を侵害したことについて損害賠償責任を負い得ますが、当時すでに婚姻が回復不能なほど破綻していた場合には責任が認められないことがあります。相手方は、依頼人夫婦が10年間別居しており婚姻はすでに破綻していたと主張し、さらに発覚後の依頼人の対応を問題にして、この請求自体が権利濫用(権利を正当な範囲を超えて行使すること)だとも主張しました。婚姻破綻の有無、権利濫用の有無、そして慰謝料の額が争点でした。
弁護士の対応
依頼人側は、婚姻関係と不貞行為を裏付ける資料を証拠として提出し、相手方が婚姻の事実を知りながら関係を続けて夫婦共同生活を侵害したと主張して、慰謝料1億ウォンを請求しました。婚姻がすでに破綻していたという相手方の主張については、それを裏付ける根拠はないという立場を維持しました。
裁判所の判断
裁判所は、相手方が配偶者のいることを知りながら不貞行為をしたと認め、これは夫婦共同生活を妨げ、配偶者としての権利を侵害する不法行為だと判断しました。婚姻がすでに破綻していたという主張は、相手方の証拠だけでは認めるに足りないとして退けました。権利濫用の主張についても、指摘された事情だけでは本件請求が権利濫用に当たるとはいえないとしました。慰謝料の額は、婚姻期間と家族関係、不貞行為の経緯・期間・程度、婚姻関係に与えた影響などを総合して定めました。
結果
裁判所は、相手方に対し、慰謝料3千万ウォンと不貞行為が終わった日からの遅延損害金を依頼人に支払うよう命じました。残りの請求は棄却され、訴訟費用は相手方が70%、依頼人が30%を負担することとされました。判決確定前でも執行できるよう仮執行宣言も付されました。
この事例の意味
不貞相手は「婚姻はすでに破綻していた」と主張して責任を免れようとすることがよくあります。しかし裁判所は、その主張を裏付ける十分な証拠がなければ認めません。婚姻関係と不貞行為の期間・程度を示す資料を丁寧に準備することが、慰謝料の認定において重要です。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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