むしろ一方的に殴られたという依頼人の主張を裁判所が認めました
事件の概要
依頼人はバイクを運転中、クラクションをめぐって乗用車の運転者と口論になり、その後公園で言い争う中で相手を殴ったとして起訴されました。依頼人は、むしろ相手に殴られて歯を負傷したと主張しました。
争点
法廷に出頭しなかった相手方の警察供述調書を「特に信用すべき状態」でなされた供述として証拠にできるか、そして残りの証拠で暴行が証明されるかが争点でした。
弁護士の対応
依頼人側は、相手方の供述調書は特に信用すべき状態で作成されたものではないため証拠能力がないと主張しました。依頼人は事件直後から一貫して、自分は殴られただけだと供述していました。
裁判所の判断
裁判所は、二人の主張が食い違っているのに対質調査が行われず、相手の連れである目撃者は供述を拒否し、相手が暴行で生じたという手の傷は、むしろ相手が依頼人の顔を殴った際に歯で切れたものとみられると指摘しました。相手が自分に不利な事実を小さく語っていることから供述の信用性が担保されないとして、供述調書を証拠から排除しました。残った写真だけでは暴行を認めるに足りないと判断しました。
結果
裁判所は無罪を言い渡し、無罪判決の要旨を公示するよう命じました。
この事例の意味
法廷で反対尋問を経ていない供述は、厳格な要件を満たさなければ証拠になりません。証拠能力を争うことだけでも結論が変わることがあります。
個別の事件の結果であり、類似の事件で同じ結果を保証するものではありません。当事者保護のため、事実関係の一部を一般化しています。
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