個人再生事例、権利金と店舗拡張による債務
繁盛していた店を権利金を受け取って譲り渡した後、より広い店舗に拡張して借金が膨らんだ飲食店オーナーの個人再生事例です。もう少し投資すればうまくいくだろうという期待から店を大きくする自営業者は多いですが、予想外の費用と売上不振が重なると、債務が抱えきれない水準まで増えることがあります。



権利金を受け取って既存の店を譲り渡す
依頼者は長年飲食店を営み、比較的安定した売上を維持していました。繁盛していた店だったため権利金を受け取って譲り渡すことができ、このお金をもとに、より広く商圏の良い場所に新しい飲食店を開くことにしました。立地と規模を大きくして事業を一段階引き上げようとする拡張でした。

予想を大きく超えた開業費用
問題は新しい店の準備をする中で始まりました。内装、厨房設備、什器、看板、各種設備工事に、計画よりはるかに多くのお金がかかりました。
工事がかなり進んだ状態だったので止めることも難しく、すでにかけたお金がもったいなくて最後までやり遂げるしかありませんでした。足りない資金は金融機関の借入れで埋めました。店を開けさえすれば十分に挽回できると信じていました。

売上は伸びず、固定費はそのまま
店を開いた後、期待したほどお客さんは来ませんでした。一方で、固定費は毎月きっちり出ていきました。
- 月々の賃料
- 従業員の人件費
- 公共料金
- カード手数料
- 食材費
入ってくるお金より出ていくお金が多い構造が続き、赤字が積み重なりました。運営資金を埋めるために追加の借入れをしましたが改善せず、結局、既存の借入れを返すために新たな借入れをする悪循環に陥りました。

食材を買うお金さえ底をつく
時間が経つにつれて、店の状況はさらに悪化しました。売上は横ばいで、借入れの元利金の負担は増え続けました。従業員の給与はもちろん、次の営業に使う食材を買うお金さえ足りない状態になりました。
店を開け続けることが、かえって債務を膨らませるだけの状況でした。依頼者はこれ以上正常に返済するのは難しいと判断し、個人再生のご相談を依頼しました。

個人再生で債務を調整してもらうまで
事業の失敗は誰にでも起こりえます。飲食店は初期にかかるお金が大きく、景気や消費マインドによって売上が大きく変動する業種です。
店の拡張がそのまま失敗を意味するわけではありません。ただし、すでに抱えきれない債務が生じているのであれば、現実的な解決方法を探すことが大切です。依頼者は個人再生の手続で過大な債務を調整してもらい、再び経済的に立ち直るための足がかりを築きました。
自営業者がこの事例から学べること
事業をしていれば、誰でも苦しい時期に直面します。大切なのは、失敗そのものよりも、さらに大きな借金を作る前に適切な解決方法を選ぶことです。事業のために借入れが増え、カードの回し返済や追加の借入れが繰り返されているのであれば、一人で耐えるよりも、今の状況に合った制度を検討してみることをおすすめします。
個人再生は、誠実に生きてきたものの思いがけない事業の失敗で困難を抱える方が、再出発できるように設けられた制度です。

最終確認日:2026-10-19 本記事は一般的な法律情報であり、具体的な判断はご相談を通じてご案内いたします。
